2012/03/22

エアコンとカーテンの干渉 その3

エアコンは、8畳ぐらいまでの居室であれば
そんなに機能性をもとめずに安価な物で済ませる事が多いですが、
LDKとなれば話は別で、大きなLDKの冷暖房をカバーするために
200Vのエアコンを購入するようなケースも多々有ると思います。

また、リビングだけはいつも居る所だから奮発して
良い物にしたい!
とお考えの方も多いと思います。

防犯上、LDKでも大きな道路に面している所には
掃き出しサッシではなく、小さな押し出し窓タイプの物を採用する事が多くなっていますが、
大きな窓を作らない分出来るだけ採光を取ろうとすれば
必然的に窓の数を多くするしかありません。

窓の数が多くなると、
部屋全体を見回した時に、壁の量が少なくなり
結果的に外に面した壁の寸法が小さく、
エアコンを取付ける場所を確保するのに
後から苦労することも有ります。

打合せ段階で平面図や設備図等に、
エアコン設置位置というのが書かれていますが、
このエアコンの寸法は平面上で見ているだけですので
鵜呑みにしてはいけません。
設計者も、エアコンの寸法はお客様から指定が無い限り
一般的な必要最小限の寸法で書いている傾向があります。

エアコン横にロールスクリーンを設置した例ですが、
ロールスクリーンが窓の中心から若干右に寄って設置されています。
この小さな窓が1カ所のみでしたら、
もう少し巾を小さく作って中心に見えるようにもと考えたのですが、
この列に数カ所同じサイズの窓が均等に配置されており
それぞれロールスクリーンが設置されています。

ロールスクリーンは窓サイズギリギリで設置すると
光漏れが大きくなってしまうため、
・光漏れをしても全体にロールスクリーンを小さくするのか
・またはエアコン設置箇所だけを少しズラして設置するか
を模索したところ、このように1カ所だけズラす
とう方法となりました。

壁付け設置ではなく、窓枠内に天井付けで設置すれば
エアコンの干渉は防げますが
窓のタイプによっては窓枠内に綺麗におさまらないケースが有りますので
ご検討される場合はメリット/デメリットを理解した上で
設置方法を決めるのが良いと思います。

2012/03/21

傾斜天井への照明

LDKは出来るだけ開放的に感じたい!
なるべく広く見せたい!

というご要望が多く、最近は吹抜け天井や
傾斜天井も多くなって来ています。

今までマンションや賃貸アパートにお住まいの方が
戸建て住宅で開放感のある天井にした場合
想像がし難いのが吹抜け部につける照明をどうするか・・・
というのもその一つだと思います。

・どんな照明が合うのかな〜
・何灯ぐらい必要なのかな〜
・シーリングファンとか付けといた方がいいのかな〜
等々。


こちらはリビングの傾斜天井の例です。
当初、LEDのダウンライトを天井埋込にする予定でしたが、
天井ピラーという木材で天井を化粧する事になった為、
ダウンライトにした場合、照明の穴開けをすると
ピラーが凸凹して美しく無いという事になりまして、
ダクトレールにスポットライト という形式を取りました。

ダクトレールに付けられるスポットのタイプは
白熱灯・蛍光灯・LEDとありますが、
金額だけをみると白熱灯が一番安くてLEDが高いです。
しかし、普通よりも高い場所へつける照明器具は
最初のコストが高めでも、可能で有ればLEDを採用したいところです。

ダクトレールの取付け位置は
中心よりも極力傾斜の底辺に近い位置で設置する方が
・球の交換がし易い
・スポットライトの角度が変え易い
という事が上げられます。
スポットライトの良い所は、自由に角度が変えられる
点が大きいので、傾斜の上の方に付けてしまうと
最初に設定した角度から変えたいと思う気すら失ってしまいます。


照明は、カタログでパッと見た印象と
実際の大きさがイメージと違っている事が多いので
ご自身で選んで購入される場合は
必ずサイズを確認して下さい。

もしもイマイチイメージが掴みにくい場合は
照明のメーカーやコーディネーターへ相談して
器具の選定をしてみるのが無難です。

2012/03/16

窓の種類

間取りを決める際に色々と悩む事は多いと思いますが、
窓の種類をどうするか?というのは、
結構決定までに時間がかかる要素の一つです。

ここでは一般的によく採用されている窓のかたちと
その呼び方について少し触れてみたいと思います。
※画像は三協立山アルミのカタログより抜粋しております。

名称:引き違い窓 
ごく一般的な窓で片方ずつ開くタイプです。
デラスなどに出る為に開口面積を大きく床まで取っているタイプの物を「掃き出しサッシ」と呼び、床から少し立ち上がっているタイプを「腰高サッシ」などとも呼んでいます。

名称:上げ下げ窓
窓が上下に開くタイプの窓です。
下の窓だけしか開かない「シングルハング」タイプと、
上下両方とも可動できる「ダブルハング」タイプがあります。

名称:たてすべり出し窓
最近モダンな外観で流行っているのがこのタイプの窓です。
ちょっと前までは巾が360㎜までの物しか有りませんでしたが
現在は260㎜の物が有り、
防犯上の面や外観のシャープさで
とりわけ人気の高いサッシタイプとなります。

たてすべり出し窓の特徴は、
網戸が内側に設置されるという点です。
内側に設置される網戸は一般的な網戸と、
必要な時だけ引き出して使うロール網戸タイプの
2種類が有りますので、
自分の家がどちらが標準で設置されるのか
確かめておいた方が良いでしょう。

上部名称:内倒し窓
下部名称:外倒し窓
内側に開くのか、外側に開くのかの違いです。
この手のタイプは窓を全開口したくは無いが換気を取りたいという
洗面脱衣室や浴室に採用する事が多い窓です。
室内側に出っ張ってこない分
外倒しの方が窓を開けた時のすっきり感は有りますが、
開けっ放しの時に雨が降って来たりすると、
中に雨が入ってきやくなります。

名称:連段窓
下の窓を開かない窓(FIXと言います)とし、
上部の窓だけを解放するタイプ。
画像は細長い窓タイプですが、
上部が大きな引き違いで下部がFIXというタイプも製作可能です。
採光を大きく取りたいような場面で採用されます。

名称:FIXタイプ
いわゆる開かない窓です。
採光を取り入れたいが開かなくても良い場面で使用します。
例えばリビングで目線にかからないように高い位置に横長のFIXを採用したり
吹抜けの壁の高い位置に設置したり。
また階段室や手の届かない所でも採光を取る為に採用する事があります。

その他、細かな名称がついている窓は沢山ありますが、
大まかによく使われているタイプのサッシについて説明をしてみました。
図面には開き勝手(どっちに丁番がついていて、どっちに開くのか)が明記されていますが、
図面を見慣れていない一般の方には、最初なかなか分かりにくいと思います。

住宅メーカーや設計の方は毎日みている設計図ですので
「掃き出しサッシをつけましょう」「たてすべりの方が良いですね」
と、どんどん話しが進んで行きますので
もちろん、立面図上でみる外観の見え方も大切では有りますが
・特殊な開き方をするサッシが採用されているのか居ないのか?
・採用されているサッシが利用目的に合っているのか?
を、理解して決定していくことが大切だと思います。

また、たてすべり出し窓や外倒し窓のような
窓が外に開くタイプは、網戸が室内側に設置されますので
ロールスクリーンやブラインドを「枠内設置」にしたい場合は
壁厚によっては多少室内側にはみ出したり、
或は枠内設置自体が不可能になる場合がありますので
そういったスタイルを望まれている場合は
打合せの段階できちんと聞いておいた方が良いでしょう。